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客室数237室の大型店舗!運営の秘訣とは!?8年目のお二人に聞いてみました

こんにちは!
少し秋の気配を感じる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日は辻がスーパーホテルの湯田温泉のK支配人とK副支配人にお話を聞いてきました。
客室数237室の大規模店舗の運営とは?

それでは宜しくお願いいたします!

お二人の経歴

  • 2015年4月~2016年9月   京都五条
  • 2016年9月~2019年10月 山口湯田温泉
  • 2019年10月~        山口湯田温泉(法人契約)

一番は、お客様に快適に過ごしていただくため

――今年で何年目ですか?
K支配人:
7年半ですね。
最初の着任地はスーパーホテル京都・烏丸五条。
着任して約1年半後にスーパーホテル山口湯田温泉に異動になりました。
湯田温泉が1年前にリニューアルと同時に107室の増床になって、一気に237室とベンチャー支配人が運営するスーパーホテルの中でも3番目に大きな店舗になりました。
現在は社員を3人、アテンダントスタッフを26人雇用し運営しています。

――シフトインしている人数はどれくらいですか?
K支配人:
シフトインの人数は朝のアテンダントスタッフが3~4人、フロントスタッフは朝7時から1人で、9時からさらに1人増えます。
夕方は3~4人プラス支配人という感じですね。
宿泊人数は平日で200~220名様程、土曜だと更に増えて260~280名様くらいです。
今までの最高は380名様なのですが、その人数がご宿泊されると、もう朝食時間中はずっと行列になってしまって…。
その時はお客様にお叱りを受けてしまいました。
ここの店舗では260~280名様くらいまでが、お客様が快適にお過ごしいただける人数です。
この人数を超えてしまいますと、一番はお客様にご迷惑をおかけしてしまいますので注意しています。

――支配人の働き方を教えてください。
K支配人:
チェックインは、平日には120~130名様程ですが、週末は200名様くらいになります。
私がどっぷりチェックインに入ってしまうと全体が見えないので、事務所でモニターを見ながら電話対応をしたり、フロントスタッフにインカムで指示だしをしています。
カウンターにお客様が並んでいたりしたら、自身もチェックイン対応という感じですね。

K副支配人:
私は、基本的に朝は全体を見ながら指示を出し、アテンダントスタッフがお休みの日などにフロントに入っています。
朝食の補充や陳列は、ほとんどアテンダントスタッフにお願いしています。
あとは経理業務とスタッフのシフトを全部作成していますが、イベントや入れ込み具合をみて大体のチェックインの人数を予想してシフトを作成するので、結構時間がかかりますね。
社員のシフトは9時~18時と、15時~24時までで固定していて、週2回お休みをいれています。

アテンダントスタッフへのマネジメント力の必要性

――大型店舗でのやりがいとは?
K支配人:
異動により、客室規模が108室→130室→237室と徐々に大きくなっていったので、それに合わせて徐々に学んでいけたことがとてもよかったです。

大型店舗になってからは全然やることが違います。
まず100室規模の時は「ホテルとは?」という事を学ぶと同時に、自身もチェックインに立ちながら運営できていました。
ところが、130室になってくると、アテンダントスタッフをいかに育てていくかということがとても重要になります。
なぜならこの規模感になると、スタッフが急な休みで今日は0人といわれると、ちょっと私たち2人だけでは運営が難しくなるからです。
また大型店舗になるとスタッフも多いので2人で全員を教えることができません。
そこでアテンダントスタッフがアテンダントスタッフを教える教育方法が必要になってきます。
ここが大型店での難しさと同時にやりがいにもなってきます

――アテンダントスタッフの育成はどのようなことを意識していますか。
K支配人:
すべては人ありきですから、まずはスタッフを大事にする
アテンダントスタッフが辞めてしまわないように、しっかりポジションを作ることと「学び」を作ることを大事にしています
やはり学ぶことがないと人は成長しないし飽きてくるので、常に新しく入ったスタッフには「来年には自分が新しい子を教えるんやで」と言っています。

またスター制度(※1)でも「シルバー」までレベルアップすると、経営品質本部が主催する「ご当地結びスタ(※2)」を任せてみたり、あなたは団体のお客様を管理する係、という風に役割を担うことでやりがいを持ってもらい、それをまた下の子に教えるようにしています。
アウトプットするためにインプットするので、「業務が自分に合わないな」等もその子自身で気づいてもらい、また違うポジションをやってもらうという仕組みにし、成長を促しています。

※1 スター制度…フロントアテンダントスタッフのモチベーションとスキルアップを目的として導入している育成システム。半年に1度筆記試験と面接による検定試験を行い、スキルに応じたスターバッジを授与する制度です。「ブロンズスター」「シルバースター」「ゴールドスター」「No2」とレベルアップしていきます。

※2 ご当地結びスタ…「地元が大好きで応援したい!」そんなアテンダントスタッフがご当地の魅力や情報をお客様に発信する取り組み。

SH湯田温泉に着任当時の写真


――特にマネジメントで取り組んでいることはありますか?
K支配人:
私たちは現在スーパーホテルと法人契約を結んでいます。
ですからスーパーホテルの経営理念も大切にしながら、私たちの会社の経営理念というのも持っています。
アテンダントスタッフの初期教育の時点で8時間をかけて20ページぐらいの理念の共有をし、アテンダントスタッフが出勤してきたときにもフェイスアップの前に読み合わせしてから業務に入ります。

例えば、能動的思考という考え方があって。
壁にぶち当たったときにはまずは自分で考えてその答えをもって聞きに行く、というようにしてもらっています。
やはりアテンダントスタッフ一人一人に考えをもって行動してもらわないと、私がすべて指示してOKだして、ということでは時間も足りないしアテンダントスタッフも育たないです。
それで考えて間違ったりお客様にお叱りを受けた時は「私が責任を持ちます」ということも常々伝えています。
チャレンジしたり何かを作ろうとするのは大歓迎ですが、思考停止して答えを聞いてくるようだったら「もう一回考えよう」という感じにしています。
その場しのぎで支配人が出て行って解決してというのは結局成長しないと思います。
お客様の対応が必要な時でも、私は基本的に後ろに立ち、対応はなるべくアテンダントスタッフに任せるという様にしています。

K副支配人:
みんなが同じ仕事をしないように、その子が得意なものをやってもらう。
100室規模であれば自分達だけでもなんとかできるけど、大型店舗になるとやはりスタッフもより自主的に動いてもらわないと運営していけないですからね。

――副支配人は私が以前担当したエリアで、いつもリーダーとして新着の支配人を引っ張ってくれていましたね。
K支配人:
副支配人はスタッフを癒す係ですね。
スタッフが嫌なことがあったりしたときに話を聞いてあげる。
嫌なことがスタッフにあったときに話に入るとパッと明るくなる。
副支配人は店舗の最終兵器ですね。

――品質を向上させる取り組みはありますか?
K支配人:
どれだけスタッフを笑わせることができるかだと思っています。
いつも楽しくしてないと、フロントに出たときに笑顔も出にくい。
事務所で怒られてピリッとした感じでお客様に失礼がない接客をするのではなく、笑顔で「どうやってお客様を楽しませようか?」という意識に持っていくための事務所での笑いが必要だと思っています。

近隣の支配人とのコミュニケーション

――いつもエリアでは率先して取り組みを推進してくれており、助かっていました。いつ何をお願いしても常に協力的でいてくださいましたね。
K支配人:
これはスーパードリームプロジェクトのいいところで、ホテルの運営会社である、スーパーホテルの本部を知れる機会が多いということです。
本社からの依頼に対してNOを言ったことがないのは、大きな企業がどのようにして収益向上を図っているのか、どのような組織、文化で運営しているのかなどが見れるというところに自身の学びがありますので、忙しくても必ず時間を空けてやらせてもらうようにしています。

――沢山色々な事にご協力をお願いしてすみませんでした…。
K支配人:
いやいや、それも経験なんでね。
色々経験させてもらえていることが感謝なので気にしないでください。

――増設工事の際は大変な状況での運営を強いられましたよね。清掃が間に合わないので私もシーツ剥しを手伝ったりしましたが、一番大変なのは最前線でやりくりしているお二人でした。
K支配人:
今では笑い話ですが、リニューアルのフロント工事がオープンに間に合わず、仮設フロント(会議用長机の上にPCを置いただけ)でしばらくは運営していたりとか。
フロントも閉めれないし、当時はカオスな状況でしたよね。
写真撮っておけばよかったです。(笑)

実は50日間の研修の時にも、リニューアル工事を研修店舗(スーパーホテルなんば・日本橋)で経験していたんです。
研修時も昼間の工事で、電話が聞こえないとかが普通で。。
もう社員さんもそんな中で私たちを教えているので大変だったと思います。
これも今では笑い話ですけど、研修中とてもよくしてくれたアテンダントさんがおられたのですが、最後は大変すぎたのか質問しても聞こえてませんでした。
僕らも途中からは研修しながらも、臨機応変に工事に対応して、みたいなそんな50日でした。
これも貴重な経験でしたよ。

――お二人にはいつも周りの支配人・副支配人を引っ張ってもらい、助かります。
K支配人:
それは自分たちがそうしてもらったからです。
着任して間もないころはわからないことも多くて、困っているときに隣の店舗の支配人がわざわざ来てくれて助けてくれたり、夜中に近隣の支配人に電話で相談に乗ってもらったりというのがあって。
それがとても嬉しかったし、それがなければ続けていくのも無理だったかもしれません。
今はこのご時世なので難しいですが、なるべく山口県エリアでは顔を合わせてランチに行ったり、新着の支配人・副支配人の悩みを聞いたりしています
本部のサポートだけではやはり聞き取れないところもあるので、私たちはなるべく店舗も近いので集まるようにできればと思っています。
業務の効率なんかもやはり先輩のほうが熟知しているので、勉強にもなりますしね。
近隣の支配人方にはよく電話しています。

大型店でのスキルアップと今後の目標

――大型店でスキルアップしたと感じる点はありますか。
K支配人:
現在、スーパーホテル湯田温泉は山口県での宿泊人数が2位になっています。
山口県の観光客の4%が私たちのホテルに泊まっている計算になります。
お客様の山口旅行の思い出の一端を担っているという責任と期待感があります。
観光だけでなくビジネスのお客様もこられるので、その個々のお客様に対応していかなくてはいけない。
基準の違うお客様に対応できるスタッフを育てないといけない。
その積み重ねが結果となり、現在じゃらんサイトでは1年間表示順位1位をキープできています。
ありがたいですよね。

山口市内では客室数が1番多いので、お客様が1番来ます。
山口市の旗艦店の役割を担っていると思っています
いろんな行政や組合、コンベンションセンターなどからお話がきていろんな情報が集まってきます。
コラボレーションの話も多くありますよ。
いまは美術館で有名なアニメーターの方の催しを開催しているのですが、その催しの夕方の鑑賞チケットをスーパーホテルだけで取り扱いさせてもらったりしていますね。
これが上手くいけば、美術館の催しごとにコラボプランができればいいなと思っています。
ホテルからも地元を盛り上げるということに取り組んでいます。

K副支配人:
大型店ならではですが、朝食や備品の発注量がめちゃくちゃ多いんです。
保管場所が少ないので、なるべく発注をタイトにしているうちに発注精度が上がりました。(笑)
また、スタッフが多いとスタッフ同士が影響し合って互いに成長ができるというところも大型店ならではかもしれません。
支配人・副支配人の影響だけではない横のつながりも多くなるところですね。

――今後の目標を教えてください。
K支配人:
私は各店に着任した際は必ず目標を立てるようにして、それを毎回達成してきました。
2016年に立てた、「2019年に過去最高の利益金額を出す」という目標を達成し、リニューアル後は「山口市でナンバーワンになる」という目標も達成できました
数字では単月で稼働率85%のADR7000円を今年度中に達成するのが今の目標ですね。

あとは、地域とさらにもっと絡んで何かをしたいですね。
市内の旅館やホテルを巻き込んで、「個々の施設でお部屋を売るだけ」という考え方ではなく、地域の皆さんともっと山口市をアピールしてお客を引っ張ってきて泊まってもらうということをやってみたいですね。
市のコンテンツと絡んだり、ワーケーションする人を呼んでくるとかですね。
山口は物価が安いので食べ物のコスパもいいし海も山もあるのでいいと思うんですけどね。

K副支配人:
いま観光のお客様向けに朝食で新しいチャレンジをしようと思っているのですが、ビジネスのお客様が離れていってしまわないよう考えないといけないです。
まずはスタートしてからお客様の反応がどうなるか楽しみでもあり、ドキドキもあります。

サラリーマン脳では難しい

――これからベンチャー支配人にチャレンジしようとするかたにメッセージをお願いします。
K支配人:
月給をもらうというようなサラリーマン脳の方は向いていないと思いますね。
例えば飲食店の方々は自分でお金を借りて毎日の売上から返済や支払いをして運営していくので、売上が足りないと休めないですし、ランチから夜まで長時間働いているけど、自分でやっているので文句も言えない。
サラリーマン脳の方はしんどいことのあら捜しをしてしまいがちです。
自分たちがしんどいのは自分たちでなんとかしなければいけないと思える人が向いているのではないかと思いますし、そうでないと続かないのではと思います。

スーパーホテルは自分で頑張って店舗の利益が出ればその分還元してもらえます
こんな好条件で働いているのに、「休みを自分でコントロールしなければいけないから大変だ」とかいうのはなんか違うなと思います。
お金を借りて運営していたら銀行の人にお金返してって言われるので、そっちの方がしんどいと思いますよね。

私はベンチャー支配人にチャレンジすることはメリットしかないと思います。
行政が決めた8時間という労働時間の枠に守られているという考え方よりも、私には今の働き方の方が合っていると思います。
自分で時間がコントロールできるので、セミナーや勉強会に行く時間が作れたりして、時間が有効に使えるっていうのがいいです。

K副支配人:
24時間という時間があって、出勤日も出勤時間も自分達で決めることができる。
通勤時間もないし、できないことはスタッフと支配人と分担すればいい。
それも自由だし、私にとってはストレスがないですね。
ただ、やっぱり毎日店舗を守らないといけないという思いは常にあります
今は無理ですけど、コロナが落ち着けばアテンダントスタッフと食事にいったりしたいですね。
世代が違うので話を聞くのも面白いし、楽しそうです。

ベンチャー支配人が気になる方は、まず説明会へ

K支配人と副支配人は、いつもエリアで率先して取り組みを推進してくれており、いつ何をお願いしても常に協力的でいてくださいました。
増設工事の際のエピソードは、いまでは笑い話ですが当時はほんとに申し訳なかったです。

スーパーホテルの支配人が気になる…そんな方は、まず説明会にお気軽にお越しください!
聞きたいことはすべて説明会でお答えしますよ♪