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資金や経営ノウハウよりも、大切なもの|卒業支配人インタビュー(仙台・広瀬通編)|

こんにちは。そして、はじめまして。

全国のスーパーホテルを飛び回り、取材行脚を続けること約10年。

特命記者Mが現場で仕入れたベンチャー支配人の裏事情を

内緒でこっそりお届けします。

4年+1年で卒業し、次のステージへ。

記念すべき第一回目の主役は、

先日まで仙台・広瀬通で支配人・副支配人を務めておられたMさん夫妻。

このたび5年間の任期を終え、

スーパーホテルを卒業されることとなりました。

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私がお二人に初めてお会いしたのは、今から4年ほど前のこと。

北海道出身のお二人は

卒業したらオホーツク海のほとりで

カフェを開きたいと夢を語っておられました。

 

人の心は、時とともに変わります。

この数年で、心境にどんな変化があったのか。

卒業後の進路について改めて質問したところ、こんな答えが返ってきました。

 

「オホーツク海のほとりでカフェを開きます。」

 

初志貫徹。

あの頃と変わらず、キラキラと目を輝かせながら夢を語るお二人。

スーパーホテルへの悪口のひとつでも引き出して帰るつもりでしたが、

どうやら今回は無理そうです。

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変わらないことと、変わったこと。

ただ、当初の計画から少し変わったこともあるそう。

それは、ケーキ屋さんからスタートするということ。

 

「店内にはカフェスペースも用意はしますが、

まずはケーキ屋さんとしてスタートするつもりです。

私たちがお店を構える紋別は、

人口が少ないのでカフェだと採算が取れないと思うんです。

お客さんが入ったとしても、経験の浅い自分たちじゃ満足いくサービスを提供できません。

お客さんの不満が積み重なってしまうと、ブランドイメージを立て直すのは大変です。

一方、ケーキならネット販売もできるので人口が少ない地域でもビジネスになります

まずはオホーツクブランドを押し出したケーキでしっかりとブランディングをして、

認知度を上げたうえでカフェ業態にシフトしていく考です。」

 

おお、抜け目のない計画。

悪口も出てこなければ、計画も完璧。

さすが大型店舗を任される支配人夫婦です。

確実性を高めるための準備期間

「で、支配人、ケーキなんて作れるんですか?」

 

ふと気になって、質問を投げかける私。

 

「妻はパティシエの経験がありますが、私はありません。

でも、やればできると思うんですよ。」

 

完璧どころか、あまりの無計画ぶりに椅子から転げ落ちる私。

 

「いや、もちろんこの状態ではスタートしませんよ。(笑)

卒業したら、1年間、専門学校に通います。

開店資金に加え、そのための資金もこの5年間でちゃんと貯めました。

 

そりゃそうですよね。

卒業後、すぐに開業に踏み切るのではなく、

1年間修行をし、万全を期したうえでスタートを切る。

4年で卒業せずに1年延長して資金を貯めたのもそのためだったんですね。

さすがです。

資金やノウハウよりも、人。

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「この計画に至るまでには二人で何度も話をしました。

ブランディングのこともそうですが、

お客様との接し方とか、業者さんとの関わり方とか、

スーパーホテルでいろんなことを学んだ結果、導き出せた答えでもあります。

この経験がないまま夢に挑んでいたらどれだけ資金があったとしても失敗していたと思います

中でもスーパーホテルで得たいちばん大きな財産が人です。

本部の方々、スタッフや業者のみなさん、そしてお客様。

多くの人の支えがあったからこそ、ここまでくることができました。

そして、『二人なら絶対に大丈夫!』と応援してくださるみなさんがいるからこそ、

絶対に成功してやろうと強い気持ちで夢に挑むことができます

ちなみに北海道に戻ってから

お店にフルーツを届けてくださる業者さんや戦術を教えてくださる方とも

ここで出会うことができました。

数字が伸びなかったり、マネジメントがうまくいかなかったり、

大変なことも、もちろんありました。

でも、今こうして振り返ると、幸せな5年間でした

スーパーホテルには感謝しかありません。」

 

3時間近くお話をするなかで後ろ向きな発言はゼロ。

どこまでも明るく前向きなお二人の姿を見て、悪口を引き出すどころか、

すっかりファンになってしまいました。

まわりの方々がお二人を応援される気持ちがよくわかります。

 

どれだけ資金を貯められるか。

どれだけ経営ノウハウを習得できるか。

それよりも、

どれだけ自分たちのファンをつくれるか

成功の近道は、そこにあるのかもしれません。

 

気になるお二人の今後はまたどこかでお伝えしたいと思います。

ということで、これからもお見逃しなく!

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