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【後編】支配人卒業後、宿と農業を掛け合わせた古民家宿【燕と土と】を開業

Super Dream Project』は、独立・起業や店舗の開店など、多くの夢を掲げている人を応援しているプロジェクトです。
今回は、「【前編】夢を考え直すきっかけに|5年間で培った経験を活かして古民家宿を開業」の後編です。

中島さんと小澤さんのこれまでの経歴について改めてご紹介します。

  • 2015年3月 スーパーホテル東京・日本橋三越前 着任
  • 2016年7月 スーパーホテル戸塚駅東口 着任
  • 2017年7月 スーパーホテル新横浜 着任
  • 2020年3月 卒業
  • 2022年5月 一棟貸しの古民家宿【燕と土と】開業

スーパーホテルを経験した後、宿と農業を掛け合わせた、古民家宿を開業したお二人。
前編では、スーパーホテルの支配人として活躍した5年間についてご紹介しました。後編では、古民家宿【燕と土と】の開業に行き着いた経緯や、リノベーションについて、古民家宿【燕と土と】の名前の由来などについて語っていただきました。

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【燕と土と】

【中島綾平さん】

【小澤真理さん】

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【中島綾平さん】

農業を始めたい、と思ったのがきっかけ

――古民家宿【燕と土と】を開業したきっかけを教えてください。
中島さん:
都会よりも田舎で働きたかったので、安直ですが農業を始めたいと思ったのがきっかけですね。
農業は初めてで、右も左もわからなかったので、まずは説明会に行ったりイベントへ足を運んだり、市役所の窓口に行ったりして、相談することから始めました。

――何か良い情報は得られましたか?
中島さん:
「サービス業から農業への転身は難しい」「ご実家は農家ですか?そうでなければ、今の環境では農業は厳しい」とはっきり言われてしまって。
農業って誰でもできるわけじゃないんだ…と壁にぶち当たりました。
でも反骨精神で逆にやる気が燃え上がって、それくらいではくじけなかったです(笑)。
農業1本で始めることが難しいのであれば、「何かと掛け合わせて始めたい」と考えました。その後は、車1つで北海道や宮城、秋田、山形、新潟などを回って、実際に農業をやっている土地に足を運びました。
他にも、農村地区で起業するためのスクールに通って、農業について一から学ばせていただきました。

――最終的な決め手は何だったのですか?
中島さん:
古民家宿【燕と土と】がある、この物件に出会ったのが決め手でしたね。
古民家と広い土地があったので、農業をやるには適した物件だと思いました。
スーパーホテルでの経験を活かして、宿も一緒に経営しようと決めました。

小澤さん:
この家に初めて来たときに、「ここに決める!」と即答しました。
雰囲気もよかったですし、農業にもぴったりの場所で、大満足の条件でした。

内装はセルフリノベーション

――内装はどのように行ったのですか?
中島さん:
古民家宿【燕と土と】のリノベーションは、ほぼ自分たちで行いました。
解体や間取りの変更など、建物の構造に関わるところだけは耐震・耐火の観点から大工さんに手伝っていただきました。

――リノベーションにはどのくらい時間をかけたのですか?
中島さん:
すべて終わるまでに、半年くらいかかりました。築130年の古民家ですので、購入時に図面さえなくて、工事の設計図を書かずに手探り状態で始めましたね。
そのまま利用できるところは再利用して、再利用ができないところは県産材を使用しながら、改修しました。
経年劣化でかなりダメージがあるところは塗り直したり、色をそろえるために焼いたり、壁を作ったり、一つずつ丁寧に作業を進めました。

農家さんに弟子入りをして勉強中

――農業はどのように学んでいるのですか?
小澤さん:
夫が改修をしている間に、新規就農者が認定農業者になるための「里親研修制度」に通い始めました。
地域にいる農家さんに弟子入りをして、実地で教えてもらいながら学んでいます。
作物は、スイートコーン(とうもろこし)とお米、水稲と柿がメインです。
週6日程度、2年間くらい通う予定です。

――今後は、どのように農業で売り上げを立てていく予定なのですか?
中島さん:
宿に泊まりに来たお客様に、農業体験をしてもらい、農家で作った作物を食べてもらって、気に入ってもらえたらその場で購入してもらう、そんな連鎖反応を期待しています。
家に帰ってから、「また食べたい」「家からでもあの宿を体験したい」と思ってもらえて、作物をお取り寄せをしてもらえるようになれば、なお嬉しいですね。
宿と農業を同時に行っているメリットを活かしていきたいです。

「燕と土と」の名前の由来

――古民家宿【燕と土と】の名前の由来を教えてください。
中島さん:
燕は古民家を象徴し、燕は渡鳥であることから、旅行者のことも指しています。
土は、畑の土を表していて、農業で採れた野菜をその場で食べてもらうという体験の意味も含めています。
最後に「と」で締めている理由は、この宿は旅行者や農業のみで完結するものではなく、地域の方々との交流、宿まで来る道中も、すべて宿の体験となることを意味しています。

何よりも、ご近所付き合いを大切に

――古民家宿【燕と土と】を経営している上で大切にしていることはありますか?
中島さん:
一番大切にしているのは、ご近所付き合いや人間関係ですね。
宿をオープンする前にも、地域の方々を招待して、宿のお披露目会を実施しました。
地域の回覧板で周知したのですが、2日間で80名以上の方が見に来てくれたので、嬉しかったですね。
その後、地域の方々が周りに宣伝してくれたおかげで、広告宣伝費はほとんどかかっていません。

小澤さん:
近所の方から作ったものをいただいたり、一緒に醤油を一から作ったり。本当によくしていただいています。

――スーパーホテルでの経験は活かせていますか?
中島さん:
はい、スーパーホテルでは多くのお客様に接客してきたので、その点が活かせています。
やっぱり人と人とのコミュニケーションは、どこに行っても同じですからね。
また、支配人時代に、ホテルのリニューアルや新店舗オープン立ち上げをした経験も、リノベーションする際にかなり役立ちましたね。
広報や集客の手法にしても、土地柄や周辺の環境で異なる部分はありますが、基礎的なところは共通しています。
そうした経営力は支配人を経験したからこそ得られたものですね。

小澤さん:
スーパーホテルでは効率化を重視しながら働くことを学んだので、二人という少ない人数で宿を回すこともできています。
これからもいろいろなチャレンジを計画していますが、従業員を雇ったり人数を増やしていくつもりは今のところありません。
二人でやっていける範囲で、さまざまなことに挑戦したいので、やることとやらないことをきちんと住み分けして整理する力は活かせていると思っています。

インタビュー後記

スーパーホテルで培った経験を活かして古民家宿を開業した、中島さんと小澤さん。支配人・副支配人として得た経験をもとに、古民家宿と農業を行っており、晴れやかな姿が伺えました。
築130年超の古民家では、囲炉裏を囲みながらゆっくり過ごし、敷地内の畑で農業体験もできます。

スーパーホテルのSuper Dream Projectを活用すれば、資金作りをしながら、経営ノウハウやコミュニケーション能力、人材育成など幅広く学ぶことが可能です。
これまでに、夫婦、カップルでチャレンジされて、開業・独立された方が数多くいます。
気になる方は、まずは説明会にお越しください。