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ベストプラクティスとは?支配人のアイデアが水平展開!金賞受賞のお二人に取組みのプロセスをインタビュー

まだまだ寒い日が続いておりますね。私は末端冷え性なので、毎日足先用のカイロを付けて全国行脚しております。

さて今回は、ベストプラクティスにて金賞を受賞した『スーパーホテル広島天然温泉・薬研堀通り』のC支配人・副支配人にお話を聞いてきました!

ベストプラクテイス金賞!地域の学校・企業とコラボプロジェクト

※ベストプラクティスとは…
半期に一度、各店舗にて支配人方が考えた取り組み(SDGs 朝食 清掃 接客 営業などのカテゴリー)のなかから結果がでたものを挙げてもらい、その中から良い取り組みを選出し、水平展開できるものは全国の店舗で実施される仕組み。

他業種からスーパーホテルに来られた支配人・副支配人のたくさんの経験やアイデアを積極的に発信してもらうことで、スーパーホテルで新たなイノベーションを創出する原動力となっている。

コラボに至った経緯

―――今回学生さんの宿泊体験漫画という形で協力してもらうことになったきっかけを教えてください。

C支配人:

元々はSDGsにちなんだ取り組みをしようと思っていました。
今回は、アテンダントスタッフさんを主体にして、自らのステップアップという意味でやる気のある子と一緒にやろうと思い、スタッフのK君に声をかけました。
私は去年SDGsレポートに載せてもらったので、「一緒に取り組んでまた掲載してもらおうよ」って。
取り上げてもらえれば、全国で注目されるし、彼のモチベーションにも繋がると思いました。
いろんなことをするのに自分たちだけだと限られてしまうので、当初は企業さんを巻き込んで何かやるのが一番早いのではないかと考えたんです。
でもせっかく広島市という大都市なので、企業もいいけど、たくさん学校があるし、学校とコラボできないかなと。
実は、前店舗でのやり残したことがどこかで引っかかっていたこともあり、今回の取組みに至りました。(そのお話は後半で)

―――それで穴吹デザイン専門学校の学生さんとのコラボが実現したんですね。

C支配人:

はい。
まずは学校に対する営業の電話をK君にしてもらい、いくつかアポイントとってもらうことから始めました。
アポイントが取れた穴吹デザイン専門学校に一緒に赴き、「SDGsの取り組みをスーパーホテルの店舗でやっています」と説明したんです。
デザインの専門学校なので、家具デザイン・インテリア建築等様々な学科があり、そのなかでも特に私たちは漫画が面白いなと感じました。
最近YouTubeでよくある「やってみた動画」のようなことを漫画でできないかな?という話になり、日本のカルチャーである漫画を使わない手はないかなと思いました。
お客様にも喜んでいただいて自分たちも何か得たい。そしてスーパーホテル全体にも波及できるようなものがいいなと。

他の学校にもお話を聞きたかったので、その日は一旦帰りました。でも、他の学校に聞いてみると、SDGsに絡めるのは難しいなと思いました。
ここが新店だったら、家具等を学生さんがデザインしたりできたのですけど、もうオープンしてしまった後だったので断念。
いつかはやってみたいですけどね。「近くの学校の生徒さんのデザインした家具」とか…そうしたら学生さんも自信がつくし、就職に役立てるし。公募をするのもいいですよね。
いろいろ検討した結果、最初にお話した穴吹デザイン専門学校さんとのコラボに至りました。
途中からは、もうSDGsにとらわれず、学校とのコラボでどうやったらホテルに来られるお客様に喜んでもらえるかを考えるようになりましたね。
さらにウェルカムバーに来ていただいているお客様にも何かできないかなと。

www.superhotel.co.jp

できた漫画はこちらでチェックできます。

https://www.superhotel.co.jp/ism/ism10/

スタッフのK君も「学生の僕の立場からすれば、専門学校に電話をしたり、訪問してお話を聞かせて頂いたりといった貴重な経験もさせてもらえました」「今後の社会人活動に役立つ学びができてよかった」と言ってくれています。
今後はじゃらんの画像にはめこんで(じゃらんは画像を1枚1枚めくるように見ることができる)漫画として読んでいただけるようにする予定です。
店舗によって朝食仕様が違うので、汎用性があるような、全店で使えるように書いてもらっています。

異動前の店舗で心残りだったこと、その取り組みについて

―――このような取り組みをしようと思ったのは、前の店舗で影響が大きいですか?

C支配人:

そうですね。
スーパーホテル岡山駅東口では、岡山大学のアントレプレナーシップの授業に、スーパーホテルを組み込んでもらう動きをしていました。
当時、エリア担当だった辻さんと一緒に教授にも会いに行きましたよね。

アントレプレナーシップとは…起業家のような独立した精神と資質・能力を育む教育のことを指します。

―――そうでしたね。

C支配人:

それが途中で店舗異動が決まってしまい、後任の支配人に引き継いで取り組みを続けていただきました。
インターンシップの受け入れも企画していた途中だったので、やっぱりそれが自分の中で今でも少し心残りでした。
いつかはまた地域の学校と何かやってみたいなという気持ちがありました。

後任のS支配人が引き継いだ、環太平洋大学とのコラボ授業

コロナ対策が功を奏し、大盛況に

C支配人:

スーパーホテル岡山駅東口の開業準備をしている時は、ちょうどコロナが流行り始めたころでした。
コロナ禍で飲食店も皆さん大変だし、今後は安近短(安全、近い、短い滞在)の旅行が主流になるだろうということで、スーパーホテル全店で地元の飲食店と提携して食事券付プランを出そうということになり、提携してくれるところを探していました。
ですが、岡山の店舗周辺には飲食店が少なくて困っていたところでした。
その時、たまたまウェルカムバーのお酒の仕入れ先の藤田酒店さんが、地元の飲食店のデリバリー用にフジタイーツを始めるってことをお聞きして、これはいいと思いましたね。
藤田酒店さんもコロナで飲食店が大変な時なので何とかしたい気持ちもあり、酒屋さんにインターンシップの方がおられてその方が始めたそうなんです。
やっぱり地元の人たちも、支えあって頑張っているなと思って。
私たちも協力したいとお願いし、一緒にやらせてもらいました。

結果的に藤田酒店さんもとても喜んでくれて、そのプランがめちゃくちゃ売れたんです。
ウェルカムバーもあるから、フジタイーツでデリバリーしたものを持ってきてくれて、パブリックでお酒を飲むお客様がたくさん来てくれるようになりました。

当時のSH岡山のお惣菜販売

C支配人:

そういった取り組みのおかげもあり、徐々に店舗の売上も上がりましたね。
店舗業務も落ち着いてきたところで、自分ももう少し地域に貢献したいと考え始めました。
そこで藤田酒店のインターンシップのNさんに相談して、近隣の飲食店で余った食材や料理を探してきて販売しましょうっていうフードロスの取り組みの提案をしてみました。
そしたら後日、こういうものはどうですかとご提案があったんです。

農業高校で作った野菜が余っている(本来は提携の飲食店に卸しているが飲食店が不振の為、卸せなくて余っている)
その野菜を使って農業高校レストランが調理するので、それをフジタイーツが運び、朝食ラウンジで売る

こういうスキームを考えてくれて、パワーポイントで資料まで作ってきてくれたんです。
これは農業高校も助けられるし、お客様にも喜んで頂けると思いましたね。
実際やりはじめると大好評!
途中から、農業高校レストランは、高松の畜産系の高校からも食材を仕入れて総菜にしてくれるようになりました。
そのおかげで、ウェルカムバーのラウンジにはお惣菜もあって、デリバリーでご飯も注文できて、お酒はフリーだし、連日大盛況でした。
結果としてその取り組みが稼働率にもつながって、コロナ禍でも、かなりいい数字をあげることができました。

お弁当も販売

C支配人:

スーパーホテル岡山駅東口では、ウェルカムバーを始めて、モクテル(ノンアルコールのカクテル)もやった、さらにフジタイーツともコラボして、最後はやりつくしたみたいになって「燃え尽きた」と。
今後、何をやれば…?と思っていた時に、アテンダントスタッフに岡山大学の生徒がいてアントレプレナーの授業があると。
よくよく聞いたら、それに協力しているのが藤田酒店の社長のお兄さんだったんです。これはつながったと思いましたね。
スタッフに教授を紹介してもらって、辻さんと一緒に会いに行って話をしたら、意気投合して。
私から、「スーパーホテルを使って何かしてください」っていったら、なんと授業で取り上げてくださることになったんです。
その矢先に店舗異動が決まってしまい、後任支配人に引き継いでもらったんです。
でも、その授業がやりたかった気持ちがずっと残っていたことが、今回の広島の店舗で学生とコラボしたいにつながったんだと思います。
まだアイデアはないのですが、次も何か考えて発表できたらいいですね。

―――C支配人、ありがとうございました。