
日本が大好きという純粋な想いから来日し、スーパーホテルでキャリアを築いたH支配人とM副支配人。国籍や制度の壁を越えSuper Dream Projectに挑戦したお二人は、戸惑いと苦労を乗り越えながら、支配人・副支配人として着実に成長を遂げています。
今回のインタビューでは、日本に来たきっかけやSuper Dream Projectに応募した経緯、支配人・副支配人としての日々のやりがい、そして将来描く「ベトナムで自分たちのホテルを開業する」という夢について、赤裸々に語っていただきました。
自己紹介、ご経歴
まずは、H支配人・M副支配人の経歴をご紹介します。
- H支配人:日本文化への強い関心から2014年に来日し、2年間の日本語学習を経て、旅行業を学ぶため日本の専門学校、大学へ進学。卒業後はアテンダントスタッフとしてスーパーホテルで接客経験を積み、2024年にSuper Dream Projectに挑戦。現在は支配人として、現場運営とともに、将来は母国ベトナムで「日本式おもてなし」を取り入れた自身のホテルを開業するという夢の実現に向けて日々邁進している。
- M副支配人:姉の影響を受け、2014年にネパールから来日。旅行・ホテルの専門学校と大学で学びながら、スーパーホテルのアテンダントスタッフとして実務経験を積む。当時の支配人の推薦もあって、2024年に副支配人としてSuper Dream Projectに参加。持ち前のコミュニケーション能力と多言語対応力を活かし、国内外の顧客に親しまれている。
- 2025年1月9日~ スーパーホテル東京・大塚 現在に至る
- 自己紹介、ご経歴
- 国籍を越えて夢を叶える、二人で挑んだSuper Dream Project
- 着任から半年、見えてきた「楽しさ」と「自分たちのペース」
- 戸惑いながら掴んだ対応力と自信
- 現場と経営を繋ぐ新しい視点、支配人と副支配人になって気づくこと
- 国籍を越えてつながる、スタッフとお客様が教えてくれた喜び
- 二人で築く心地よい距離感
- 支え合いながら、仕事も私生活も充実中
- 日本で学び、ベトナムで叶える!二人が描く未来のかたち
- 半年後には「やってよかった」と思える!苦労を超えて気づく楽しさ
- 国籍も経験も関係ない、Super Dream Projectで描く自分だけのキャリア
国籍を越えて夢を叶える、二人で挑んだSuper Dream Project
――お二人が日本に来たきっかけや、Super Dream Projectに応募したきっかけを教えてください。
H支配人:
私が日本に来たのは2014年4月です。当時は、特に旅行やホテルの仕事に興味があったわけではなく、ただ日本が好きで、日本語を学びたいという思いから留学を決めました。最初の2年間は日本語学校に通い、生活に慣れるうちに、自分も旅行が好きだと改めて感じたんです。もっと深く学んでみようと考え、専門学校へ進学しました。
M副支配人:
私も日本に来たのは2014年の10月でした。実は姉が先に日本で生活していて、私も姉の影響を受けて日本に来たんです。姉が通っていた専門学校がとてもいい環境だと紹介してくれて、私もその学校で学ぶことに決めました。
H支配人:
私たちは2016年に、トラベル&ホテルの専門学校で出会いました。
M副支配人:
最初の出会いは、偶然隣同士になった席で、H支配人にいきなりベトナム語で話しかけられたんです。ベトナム人だと思われたみたいですが、私はネパール出身なので、何を話しているのか全く分からず無視していました(笑)。でも、その出来事がきっかけで仲良くなり、そこから自然と距離が縮まりました。
H支配人:
専門学校を卒業した後は、二人で大学に編入しました。大学では現代文化学部でホスピタリティや観光についてより深く学びました。学生時代は、同じコンビニでアルバイトもしていて、ずっと一緒に過ごしていました。
M副支配人:
2018年2月、私はスーパーホテルにアテンダントスタッフとして入社しました。現場での接客を通して、ホテル業務の楽しさを実感しました。その頃、H支配人はまだ別の仕事をしていて、私が少し先にこの業界に入りました。
H支配人:
私は2022年にスーパーホテルで働き始めました。最初は池袋北口の店舗でアテンダントスタッフとして働き、副支配人と一緒に現場で経験を積みました。一緒に働く中で、「支配人・副支配人として二人でチャレンジしてみたい」という思いが強くなっていきました。
M副支配人:
当時お世話になっていた池袋北口の支配人に推薦をいただいて、説明会に参加し、2024年に正式にSuper Dream Projectに挑戦することになりました。

着任から半年、見えてきた「楽しさ」と「自分たちのペース」
――着任して半年経ちましたが、率直な感想はいかがですか?
M副支配人:
着任してから半年が経ち、やっと少し気持ちにも余裕が出てきました。最初は必死でしたが、最近は仕事を楽しめるようになってきました。自分たちのペースも掴めてきて、やりがいを感じながら毎日を過ごしています。
H支配人:
私も、今はとても楽しく働いています。最初は、通勤が必要ない生活や、決まった勤務時間がない働き方にはなかなか慣れず、戸惑いもありました。今は二人でしっかりと時間を調整しながら、プライベートも大切にできています。一緒にご飯を食べに行く時間も作れ、生活全体がとても充実していますよ。
戸惑いながら掴んだ対応力と自信
――着任して戸惑ったことはありましたか?
M副支配人:
着任当初は業務に慣れるまでにとても時間がかかりました。例えば、備品の発注や設備の不具合があった際の対応など、どのように進めればよいのか分からず、最初は一つひとつに「どうしよう?」と戸惑っていました。
H支配人:
できるだけ自分たちで解決しようと考えていたので、すぐに本部や担当の方に頼るのではなく、まずは二人で考え、どうにか対応しようと試行錯誤していました。その結果、客室の備品が壊れた時やWi-Fiが繋がらない時も、何とか自分たちで調べて解決できるようになりました。
M副支配人:
どこまで自分たちで対応してよいのか、何をどのタイミングで本部に相談すればいいのか加減が分からず悩みました。でも、まずは自分たちでやってみる、という姿勢を大切にしていました。
H支配人:
それでもどうしても解決できない時には、建設企画部の担当の方や本部の皆さんに相談させていただきました。最初は苦戦しましたが、経験を重ねるうちに徐々に慣れてきて、今では落ち着いて対応できるようになりました。

現場と経営を繋ぐ新しい視点、支配人と副支配人になって気づくこと
――お二人はアテンダントスタッフを経験してから支配人と副支配人に着任されましたが、その中でご自身の変化や成長を感じることはありますか?
M副支配人:
アテンダントスタッフ時代からお客様との接客は慣れていましたが、支配人・副支配人になってからは、これまで経験のなかった業務にも取り組む必要があり、慣れるのに少し時間がかかりました。最初は戸惑いながらも、一つひとつ学びながら前に進んできました。
H支配人:
特に、本部の方々とのやり取りは、アテンダントスタッフ時代には経験がなかったため、最初はどう接したらいいのか分からず、依頼や相談をすることに躊躇していました。本部の皆さんはとても優しく接してくださり、今では気軽に相談できるようになりました。
M副支配人:
本部の皆さんにはたくさん助けていただき、おかげで少しずつ支配人・副支配人としての役割にも慣れてきたところです。
H支配人:
宿泊料金の設定や販売管理も、支配人・副支配人としての重要な業務です。公式サイトで予約をしてもらえるよう、日々ネット販売にも注力しています。イベントやシーズンごとにもプランや価格を見直し、最適な販売戦略を考えるのは、まるでゲームのようで楽しく、この仕事ならではのやりがいになっています。

国籍を越えてつながる、スタッフとお客様が教えてくれた喜び
――やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
H支配人:
やりがいを感じる瞬間は、お客様から「朝食が美味しい」とお声をいただいたときですね。私は朝食の発注を担当していますが、朝食の品揃えや味にご満足いただけたと聞くと嬉しくなります。
朝食スタッフの方々とも日々支え合いながら業務を進めており、一緒に働く中で自然と信頼関係が生まれていることにもやりがいを感じています。客室清掃やアテンダントスタッフの皆さんとも積極的にコミュニケーションを取りながら、より良いホテルを作ろうという意識で日々取り組んでいます。
ネパールやミャンマー、日本といった多国籍なスタッフが働く環境はとても刺激的で、私にとって大きな魅力です。
M副支配人:
私は毎日お客様とお話しすることが一番のやりがいです。特にお客様から「日本語がとても上手ですね」と褒めていただくと、もっと頑張ろうという気持ちになります。アンケートに私の名前を書いてくださるお客様もいて、「また会いに来ます」と言ってもらえたときは嬉しいですし、次も喜んでもらえるよう努力しようと思えます。
最近は、公式サイトから予約してくださる海外のお客様も増え、特に台湾、香港、シンガポールのお客様はアプリを使いこなし、ポイントやキャッシュバックを上手に活用されています。毎年泊まりに来てくださる方や「もし異動したら次の店舗にも泊まりに行くから教えてほしい」と言ってくださる方もいて、お客様との距離がどんどん近くなっていることを実感しています。
そして、何より今一緒に働いているスタッフの皆さんがとても真面目で、一生懸命に仕事をしてくれていることに感謝しています。安心して仕事を任せられる仲間がいるからこそ、私たちも安心して、時にはリフレッシュしたりする時間を持つことができています。
もしかしたら、現場のスタッフは、最初に私たちが東京・大塚に配属されると聞いたとき「外国籍の支配人・副支配人が来る」と少し不安だったかもしれません。私自身も「仲良くなれるだろうか」と心配していました。でも実際には、スタッフの皆さんはとても温かく迎えてくれて、今では仕事が終わった後も自然と雑談をしたり、お互いのことを気軽に話せる関係が築けています。「二人が来てからさらに働きやすい職場になった」と言ってもらえたんですよ!

二人で築く心地よい距離感
――お二人は喧嘩をしますか?
H支配人:
喧嘩を仕掛けてくるのは、いつも副支配人なんです(笑)。
M副支配人:
本当は喧嘩するような問題はないのですが、あまりにも何もないのもつまらないので、たまに自分から喧嘩をふっかけます(笑)。
支配人は普段は静かで、ずっと黙っていることがあります。一方で私はお喋りなので、「なんで黙ってるの?話してよ」と、つい言ってしまうんです。私が話している相手は支配人なのに、静かにされると、まるで壁と話しているような気持ちになることもあって、冗談で「あなたは壁なんですか?」なんて言ったりしています(笑)。
H支配人:
私はちゃんと聞いていますよ? でもたまに疲れてしまうこともあって、そんなときは黙ってうなずいています(笑)。
M副支配人:
本気の喧嘩にはなりませんね。日常のやり取りの延長みたいなものです。家事も分担していますし、お互いに無理なく支え合っている感覚があります。
H支配人:
そうですね。私は料理が好きなので、食事はよく作ります。副支配人は洗い物や掃除を担当してくれて、買い物は私が行くことが多いです。
支え合いながら、仕事も私生活も充実中
――プライベートではどのように過ごされていますか?
H支配人:
プライベートでは、なかなか長時間のお出かけは難しいですが、最近は時間が取れるときに二人で散歩に出かけています。
M副支配人:
池袋にお気に入りのベトナム料理店があって、よく二人でフォーを食べに行くんです。稼働が落ち着いている日には、「ちょっと散歩しよう」と声をかけて、一緒に歩いて池袋まで行きます。ほぼ行っている時期もありました。
H支配人:
私たちにとっては、フォーを食べに行くことが日常の楽しみになっています。池袋や大塚の周りには魅力的なお店が多いので、すぐに気軽に行けるのがありがたいですね。
M副支配人:
家族も私たちの仕事を応援してくれています。私たちは毎日、お互いの家族と連絡を取り合っているんですよ。
2024年10月には、両家の家族を日本に招待し、一緒に旅行をし、たくさんの時間を過ごしました。言語は違いますが、私たちが通訳をしながら家族同士が直接交流できたことは、かけがえのない思い出になりましたね。

日本で学び、ベトナムで叶える!二人が描く未来のかたち
――今後のお二人の夢や目標について教えてください。
H支配人:
私たちには、将来ベトナムで小さなホテルを自分たちで経営したいという目標があります。こぢんまりとした10室程度の規模で、温かみのあるホテルを作りたいです。
そのために、スーパーホテルで日々運営ノウハウを学んでいることが活かされるはずです。パートナー企業との信頼関係を築きながら、将来に向けて必要な経験と資金を少しずつ積み重ねているところです。
M副支配人:
ベトナムに行ったとき、現地の人々の温かさにとても魅力を感じ、ベトナム料理も大好きで、「ここで暮らしてみたい」と思いました。私もその夢に共感し、将来に向けてワクワクしています。
H支配人:
ホテルで働く楽しさを実感したのは、池袋北口の店舗でアテンダントをしていたときでした。日本のおもてなしの素晴らしさに触れ、自分が学んだことを将来、母国で活かしたいと考えるようになりました。私の実家は海に近い観光地にあるので、そこで日本式のおもてなしを提供できるホテルを作れたらいいなと夢見ています。
M副支配人:
夢に向けて、ベトナム語の勉強も始めました。発音が難しくて苦戦していますが、現地でお客様やスタッフとしっかりコミュニケーションを取るために、少しずつ努力しているところです。
H支配人:
スーパーホテルの支配人・副支配人としても、できる限り長く続けたいと思っています。より多くの経験を積み、しっかりと準備を整えたうえで、将来ベトナムに帰り、自分のビジネスに挑戦したいです。

半年後には「やってよかった」と思える!苦労を超えて気づく楽しさ

――最後にこれから応募する方へのメッセージをお願いします。
H支配人:
スーパーホテルは、これからも積極的にグローバル化を進めていくと伺っています。日本に来る海外出身の方々は、単に日本語を学ぶためではなく、日本の文化や企業の働き方を深く学びたいという思いを持っています。私たちも、スーパーホテルの理念やコンセプト、働く魅力をもっと発信していきたいと考えています。これから、私たちのように海外出身の支配人・副支配人がもっと増えることを楽しみにしています。
M副支配人:
私自身、スーパーホテルで働き始めてもう7年ほど経ちますが、副支配人の業務に慣れるまでに半年近くかかりました。お客様との接客はもちろん大切ですが、一緒に働く仲間との信頼関係を築くことが大事だと、この経験を通して強く感じました。
着任当初は大変なこともありましたが、時間が経てば自然と慣れてきます。何より大切なのは、自分の健康を守り、パートナーやスタッフと良い関係を築くこと。それを大事にしていれば、きっと自分の夢も叶うと信じています。
H支配人:
Super Dream Projectは、日本の企業文化や働き方を学びたい人にとって非常に良い制度で、挑戦する価値が十分にありますよ。
M副支配人:
大事なのは、まず挑戦してみることです。1年ごとの契約なので、一度チャレンジしてみることをおすすめしたいです。もし「合わないな」と感じても、1年で次の道を考えることもできます。でも、1年続けてみたら、きっとその楽しさを実感できるはずです。
H支配人:
そうですね。最初は大変なことも多いかもしれませんが、半年経てばきっと慣れてきて、「やって良かった」と思えるようになるはずです。だからこそ、ぜひ一度挑戦してみてください!

国籍も経験も関係ない、Super Dream Projectで描く自分だけのキャリア
今回のインタビューでは、スーパーホテル東京・大塚のH支配人とM副支配人に、Super Dream Projectへの挑戦や、お二人のリアルな思いをお聞きしました。国籍や言葉の壁を越え、二人三脚で支配人業務に挑戦するお二人は、多くの困難を乗り越えながら、スタッフやお客様に寄り添い、日々ホテル運営に真摯に向き合っています。
スーパーホテルのSuper Dream Projectは、年齢、経験、そして国籍に関係なく、誰もが夢に向かって挑戦できる制度です。H支配人とM副支配人のように、将来の夢に向かって一歩を踏み出したい方は、ぜひ挑戦してみてください。

