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【後編】支配人卒業後はタイで起業!藍染の伝統技術を改良し「SILK&HOPE」をオープン

『Super Dream Project』は、独立・起業や店舗の開店など、さまざまな夢を叶えたい人を応援しています。
夢を叶えた卒業生にインタビューする夢の実現シリーズ。
前回ご紹介したN元支配人とM元副支配人のインタビュー記事、「【前編】タイにある故郷の発展のため支配人に応募! 7年間で培った経験は今の事業につながっている」の続きです!

NさんとMさんのこれまでの経歴について改めてご紹介します。

  • 2013年9月~2015年7月 スーパーホテル鳥取駅北口 着任
  • 2015年8月 スーパーホテル ロハス スイート バンコク 着任
  • 2016年2月 スーパーホテル滋賀・草津国道1号沿 着任
  • 2020年2月 契約満了により卒業
  • 2021年4月 SILK&HOPE オープン

タイにあるMさんの故郷の発展に貢献するため、スーパーホテルの支配人に応募したお二人。
前編では、スーパーホテルの支配人として活躍した7年間についてご紹介しました。
今回の後編では、タイでの起業に至った経緯や「SILK&HOPE」の活動について語っていただきました。


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グッヘー村で自分の人生を作ることができる、そんな姿を見せたい

――グッヘー村で起業した理由を教えてください。
Mさん:
グッヘー村で起業したのは、何より私の故郷だから。
頑張って良い物を作り稼ぐことで、自分の人生を作れるということを見せたいのと、次の世代の子どもたちにも自分の将来を選べるようにしたい、との思いからです。
私の家もそうだったんですけど、グッヘー村はお金がない家がとても多くて、金銭面はもちろんのこと、特に情報が入ってきません。
親も大学に行けてないから、子どもたちに将来についてどう教えていったらいいかわからないんですよね。
都会に行って工場労働者になるだけの人生ではなく、この村で自分の人生を作れるんだってことを村の人たちに見せたいんです。
私はノンブアランプー県で奨学金をもらって、日本に行くことができたので、とてもラッキーでした。

県で奨学金をもらえたのはたった6人しかいません。
行きたいと思ってもトップの成績で卒業しないといけないんです。
でも、トップって1人しかなれないじゃないですか。
他に頭が良い人がいても1人しか選ばれないんですよ。
今50、60代のおばちゃんたちと仕事をしているんですけど、みんな夢がないんですよね。
昔はあったと思うんですけど、可能性がないと思いこんできたから諦めてしまっているんです。
良いものが作れないし、良い生活もできないから、全て諦めちゃっています。
だから若い世代には、夢を諦めてほしくないんです。
 
私は子供の頃、学校に行く前や帰ってきた後に、家の手伝いで畑仕事や牛の放牧をやっていました。
放牧では、牛がよその畑に行かないように見張るのが仕事なんですけど、その時、必ず本を持って行って読んでいたんです。
私をここから連れ出せるのは、情報と知識だけ。
当時からそう考えていました。
バンコクからお金持ちの偉い人がやってきて、人生についてあれこれ言っても、村の人たちには届かないんですよ。
未来をつかみ取り将来を選ぶことができる、そんな姿を見せられるのは、村の人たちと同じ環境で育った私だからこそ、できることではないでしょうか。

藍染に可能性を見出す

――藍染を選んだ理由を聞かせてください。
Nさん:
タイのイサンという地域では伝統工芸がすごく盛んで、その内の1つがタイシルクなんですよ。
日本やヨーロッパでは、数メートル何万円で販売されている製品です。
そんな高級品を作っているのに、現地の人たちは貧しい生活をしています。
なぜかというと、地元の職人は織る作業しかできないため、安く買い叩かれているんですよね。
シルクの原料は高いので、現地の人に買う力がありません。
そのため、シルクの糸を買える人が儲かっていて、ベンツやBMWなどの車を何台も持っています。
また、バンコクに製品を売りに行ける人も同様です。
職人は技術を持っているのに、日本のように誇らしい職業として扱われていない現状もあります。
このような産業構造を理解したとき、どこかの段階で壊さないといけないと思いました。

ただ、今の私たちにシルクが買えるかとなると、高くてちょっと無理かもしれません。
それと、現代のスタイルでシルクの服は、あまり日常的に使っていないんじゃないかという問題もあります。
それなら、コットンや麻などのナチュラルな素材を使ったものの方が需要は高いです。
伝統工芸を現代風にして世界に販売していくためには、どうすればいいのかと考えていた時に、たまたま訪れた伝統工芸の店で、藍を育てていたのを見かけたんですね。
手で織るだけだと、あまり他と商品の差別化ができないので、藍染がいいんじゃないかと思いついたんです。
請け負ってくれる職人は、まだ現役で結構残っているので、年齢的にあと十年ぐらいは頑張ってくれるかなと。
そんなわけで藍染に可能性を見出しました。

伝統工芸にまつわるさまざまな問題点を精査し改善していく

――藍染の現状について教えてください。
Nさん:
タイの藍染作業を見たんですけど、日本の技法と違って生産過程ですごくロスが出るんですよ。
色素が残っているのに全部使い切れていなかったり、捨てる部分が多かったりして、結構無駄があってコストも効率も悪かったんです。
そこで、日本の藍染の技法をインターネットで資料を探して調べました。
いろいろと試してみて、自分なりに方法を確立させ、ようやく染められるようになってきました。
これから製品を作っていくところです。

タイで伝統工芸をしている人たちは、良い技術を持っているけれど高齢化が進んでいます。
なぜなら、地元にいても稼げないから、若い人たちはどんどんいなくなっていて、特に勉強ができる人や、やる気のある人は地域から出て行きます。
やはり、お金持ちになりたいし、子どもに教育をつけたいから、海外へ出稼ぎに出ていってしまうんです。
そして、若い人がいなくなって地域の経済力が下がり、生産者は直接バンコクに製品を売りに行けないので、売りに行くことができる少数の誰かに富が集中します。
その人はバンコクとか都会でお金を使うから、村の人は労働力に使われるだけで、地域の中にお金が流れません。
このような負のサイクルを打ち破るには、伝統技術と現代のスタイルを組み合わせて良質の製品を作り、販売することだと考えました。

現代のファッションスタイルに落とし込むには、やはり若い人の力が必要になってきます。
今、地域のおばちゃんたちと協力しながら、私たちが体現していくところです。
私たちの「SILK&HOPE」だけではなくて、この活動を通じて地元で活動できるというところを見てもらいたいですね。
将来の不安に駆られて安易に村から出ていってしまうのではなく、勇気を持って地域で活動する若い人を、1人でも2人でも残すことができればと思っています。

Mさん:
タイの他の地域でも藍染をやっているんですけれど、化学の知識がないから適当に作られているものも多くて品質が保てないんですよね。
それでNさんが、タイの藍にはこんな良いところがたくさんあるということを、ちゃんと研究してレポートを書いて、国の機関に提出したんですよ。
そしたら、これをやればタイを変えられるかもしれない、村を変えられるかもしれない、という期待を受けて100万円出資していただくことができました
それを元手に今、植物からインディゴの色素を凝縮したペーストを製造する工場を作っている途中です。

世界中から集まる古着を藍染によって生まれ変わらせる

――古着の有効活用について教えてください。
Nさん:
今、進めているのは、藍染の技術を使って古着を染め直してリメイクする「RE-DYE project」です。
タイは世界中から古着が集まっている国で、品質が良いものも多く、日本で古着屋をやっているバイヤーがわざわざやって来るぐらいなんですよ。
例えば、日に当たって色褪せていたリーバイスのデニムシャツを、藍染で染め直したものがあります。
タイでは、新品で売っている服でも縫製が悪くてすぐ破けたり、ほつれてしまったり、ひどいものだと歪んで縫われているものが割とあるんです。
それなら、良質の古着を買いつけて藍染しリメイクすることで、安く提供できるのではと考えました。
元々はリーバイスで9,000円ぐらいで売られているブランド物の服を、私たちが染めて、新品の状態でタイの若い人に提供することができます。
古着といってもリーバイスですから、縫製や品質はしっかりしています。
それに、藍染は化学染料と違って肌に優しいんです。
チクチクする素材の生地でも藍染することでソフトな肌触りになるんですよ。
うちの「SILK&HOPE」のコンセプトは、“環境、健康、社会”ですからね。

【DAKO バンコク情報誌】

www.daco.co.th⇒「Kindle版はこちら!」をクリック。10~13ページに掲載されています。
 
【DAKO バンコク情報誌のYouTube】

youtu.be

基本の基本を大事にすれば難しく考えなくても大丈夫!

――スーパーホテルで学んだことはどのように活きていますか?
Nさん:
私は22歳でスーパーホテルの支配人に応募したんですけど、当時の規定では応募資格は「25歳以上」でした。
一度は書類審査で跳ね返されてしまったんです。
しかし、「何とかなりませんか?」と、もう一度メールを送ったら面接していただくことができました。
諦めず挑戦したら案外何とかなるんだなと実感しましたね。
私たちは今いろいろなプロジェクトに取り組んでいて、真剣に考えて行動して発表することで、国の機関から資金援助を受けています。
諦めずに行動すれば何でもできるんだぞ!っていうことを伝えたいですね。

Mさん:
前編で話したことに戻るんですけど、お客様は神様じゃなくて、ただの同じ人間です。
お客様も私たちと一緒の人間、思いや心を持っていて、さまざまなバックグラウンドを抱えていると草津店の時に実感しました。
基本の基本を大事にしてちゃんとやっていれば、そんなに難しいことを考えなくても大丈夫です。
ただ、お客様も人間だから、たまにはわがままを言うことがありますよね。
ちょっと機嫌良くないのは、しんどいことがあったからかなとか、何か嫌なことがあったのかなって、人間ならそういうことも想像できますから。

どれか1つ目標を決めて、どんな分野でもいいから「1位」を取る気で頑張ること

――これから支配人を目指す方にメッセージをお願いします。
Nさん:
研修が終わって、鳥取駅北口店に着任が決まり、最後の本社朝礼の時に言った目標があるんです。
当初4年契約だったので、「スーパーホテルの4年間の中で何か絶対一つ1位を取ります」って宣言しました。
スーパーホテルは、全国に百数十店舗あります。
その中で、顧客満足度でもいいし、売上でも、どれだけスタッフから愛されるかでも、何でもいいんですけど1位を取る気で頑張ってほしいですね。
私も草津店に着任した時、エリア内で1位になろうと思いました。
じゃらんで高得点を得ている周辺のホテルは、設備が充実していることで評価されているから、そんなところに負けてたまるかと(笑)。
そして、どうせならスーパーホテル内で1位になりたい!さらに、じゃらんのビジネスホテル部門で1位になりたい!って思いながら頑張っていましたから。

スーパーホテルでは、チャレンジできることがたくさんあります。
ありすぎるくらいです(笑)。
数字を見ることや、設備の図面を見ること、外に出て営業するなど、取り組もうと思ったらもう、すごくたくさんの選択肢があるんですよ。
自分が得意なところだけをやればいいというわけでもありません。
『Super Dream Project』は、定年までいる制度じゃないから、最終的に卒業する時期がやってきます。
卒業までの限られた時間を意識して、どれか1つ目標を決めて1位を取る気で頑張ることが、長続きする秘訣なのではないでしょうか。

Mさん:
私は、人生って短編だと思っているんですよ。
何になりたいかというより、目の前のことにただひたすら突き進むタイプなんです。
Nさんは、長期的な視点を持って計算するタイプなんですけど、私は目の前にあるチャンスをつかんだら、それを決めてやります。
やれば絶対やり遂げられるのですから。
人生ってさまざまな道があるから、やりたいことがあっても迷う人はたくさんいると思います。
それでも、この道にするって決めた時、楽しんでやり遂げるのが一番良いんです。
スーパーホテルでの7年間は、とても貴重な経験を過ごした時間になりました。
最初は大変かもしれませんけど大丈夫です!
特に、自分とちゃんと向き合ってください。
自分を疎かにして他人と向き合ってもそんなに効果はないから(笑)。
過ぎた時間はもう戻ってきません。
だから、何かやることを決めたら迷わずまっすぐに歩いた方がいいと勝手に思っています。

インタビュー後記

今回、タイからオンラインでインタビューを受けていただいたNさんとMさん。
スーパーホテルでの経験を元に、タイで地道に課題に向き合い、一歩一歩着実に歩みを進めている様子が伺えました。
日本とタイの伝統技術が融合した藍染を強みに、世界へと飛躍していく「SILK&HOPE」。
お二人の創意工夫と行動力が相まって、さらなる発展を遂げていくことでしょう。
 
スーパーホテルでは、『Super Dream Project』を通して、資金貯蓄をしながら、経営ノウハウや接客マナー、人材育成など幅広く学ぶことができます。
日々の経験を通してあなたらしい経営スタイルを確立することができ、夢の実現の基盤としてスーパーホテルでのすべての経験が糧となります。
ベンチャー支配人として基本4年間の業務委託期間を経て、卒業後は下記のキャリアの選択ができます。

【卒業後のキャリア選択】

  • 契約延長
  • 法人契約
  • スーパーホテル社員
  • 海外店舗支配人
  • 独立

ホテル経営やマネジメントの経験がない方でも大丈夫。
ご夫婦、カップルでチャレンジして、独立された方も大勢います!
気になる方は、まずは説明会にお越しください。
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